FTPとは?ロードバイクトレーニングの基準を理解しよう

はじめに
ロードバイクのトレーニングについて調べていると、「FTP」という言葉を目にすることがあるでしょう。FTP はトレーニングの強度を決める基準として広く使われている指標です。
この記事では、FTP の基本的な意味から測定方法、そしてトレーニングへの活かし方までをわかりやすく解説します。
FTP とは何か
定義
FTP は「Functional Threshold Power(機能的作業閾値パワー)」の略称です。簡単に言うと、**1時間維持できる最大のパワー(ワット数)**のことを指します。
例えば、FTP が 200W の人は、全力で頑張り続けた場合に 1 時間で維持できるパワーが 200 ワットということになります。
なぜ FTP が重要なのか
FTP を知ることで、以下のメリットがあります。
- トレーニング強度の基準になる: FTP の何%で走るかによって、トレーニングの目的を明確にできる
- 成長を数値で確認できる: 定期的に測定することで、体力の向上を客観的に把握できる
- 他のライダーと比較できる: 体重あたりの FTP(W/kg)で実力を比較できる
FTP の目安
体重あたりの FTP(W/kg)で、大まかなレベルを確認できます。
| レベル | FTP(W/kg) | 目安 |
|---|---|---|
| 初心者 | 1.5〜2.5 | ロードバイクを始めたばかり |
| 中級者 | 2.5〜3.5 | 定期的にトレーニングしている |
| 上級者 | 3.5〜4.5 | レースに参加するレベル |
| エリート | 4.5以上 | 競技レベル |
初心者のうちは数値にこだわりすぎず、トレーニングを楽しむことを優先しましょう。FTP は継続的なトレーニングで確実に向上します。
FTP の測定方法
方法1: 20分間テスト(最も一般的)
最も広く使われている測定方法が「20分間テスト」です。
手順:
- 10〜15分のウォームアップを行う
- 5分間、やや強めのペースで走る(脚を目覚めさせる)
- 5分間の回復走を行う
- 20分間、全力で一定ペースを維持して走る
- クールダウンを行う
FTP の計算:
20分間の平均パワーに 0.95 を掛けた値が FTP の推定値になります。
例: 20分間の平均パワーが 210W の場合
- FTP = 210W x 0.95 = 約 200W
方法2: ランプテスト
段階的にパワーを上げていき、維持できなくなったポイントから FTP を推定する方法です。Zwift などのバーチャルサイクリングアプリに搭載されていることが多く、手軽に実施できます。
メリット:
- テスト時間が短い(約15〜20分)
- ペース配分を考える必要がない
デメリット:
- 20分間テストより精度がやや低い場合がある
方法3: パワーメーターなしで推定する
パワーメーターを持っていない場合でも、心拍数を使って FTP を推定できます。
心拍数を使った方法:
- 20分間テストと同様に、20分間全力で走る
- 20分間の平均心拍数を記録する
- この心拍数を「FTP 心拍数(FTHR)」として、トレーニングゾーンの基準にする
パワーメーターがなくても、心拍数ベースで十分効果的なトレーニングが可能です。
FTP を使ったトレーニングゾーン
FTP を基準に、トレーニングの強度を7つのゾーンに分類できます。
| ゾーン | 名称 | FTP比 | 目的 |
|---|---|---|---|
| Z1 | アクティブリカバリー | 〜55% | 回復走 |
| Z2 | エンデュランス | 56〜75% | 有酸素ベース構築 |
| Z3 | テンポ | 76〜90% | 持久力向上 |
| Z4 | 乳酸閾値(LT) | 91〜105% | FTP 向上 |
| Z5 | VO2max | 106〜120% | 最大酸素摂取量の向上 |
| Z6 | 無酸素 | 121〜150% | 短時間の爆発力 |
| Z7 | 神経筋パワー | 最大出力 | スプリント能力 |
初心者におすすめのゾーン活用
初心者の段階では、以下のゾーンを中心にトレーニングを組み立てましょう。
- Z2(エンデュランス): 全体の約70〜80%をこのゾーンで走る
- Z3(テンポ): 週に1〜2回、短い区間で取り入れる
- Z1(アクティブリカバリー): 疲労が溜まっている日に軽く走る
FTP を向上させるには
基本的なアプローチ
FTP を向上させるための王道は、以下の3つです。
- ベースとなる有酸素能力を高める: Z2 での長時間ライドを積み重ねる
- 閾値付近のトレーニングを行う: Z4 で 10〜20分の走行を週に 1〜2 回取り入れる
- 継続する: 最低でも4〜6週間は同じプランを続ける
サンプルメニュー(週3回の場合)
- 火曜日: Z2 で 60分の軽いライド
- 木曜日: ウォームアップ後、Z4 で 10分 x 2本(間に5分の回復走)
- 土曜日: Z2 を中心に 90分のロングライド
定期的に再測定する
4〜6週間ごとに FTP を再測定して、トレーニングゾーンを更新しましょう。FTP が向上していれば、各ゾーンのワット数も変わるため、より効果的なトレーニングが可能になります。
まとめ
- FTP は「1時間維持できる最大パワー」であり、トレーニング強度の基準となる
- 20分間テストで測定し、平均パワーの95%が FTP の推定値
- パワーメーターがなくても心拍数で代用できる
- FTP を基準にトレーニングゾーンを設定し、目的に合った強度で練習する
- Z2(エンデュランス)を中心に、週1〜2回の閾値トレーニングで FTP を向上させる
- 4〜6週間ごとに再測定して、トレーニングの効果を確認する